個人納税者や同族会社経営者等は脱税の誘惑と隣り合わせにいます。さらに脱税
意図がなくとも節税と脱税と紙一重で、次の取引は多くの人が考えがちですが明らか
に脱税になりますので要注意です。
1.通常外の取引を隠す方法
日頃近隣での取引しかしていない場合、遠隔地の1度だけの取引を除外するやり
方です。税務署は年中あらゆる取引において情報を集めているので、1度でも100
度でも見つかる確率は変わりません。 2.仕入を隠す方法
個人商店や飲食店など、現金商売をするところでよく見られるのが、売上を抜くと
いう所得隠しの方法です。売上を隠すとともに、抜いた分の売上に対応する仕入も
隠します。うまく対処したつもりでも、仕入と支払に食い違いを生じてバレます。
3.架空人件費を計上する方法
人件費を実際よりも多く払ったように偽装し利益を少なく見せる方法です。
しかし、現在では従業員を雇った場合、従業員の住所、氏名、給与額等を役所に
提出しなければなりません。架空の人物の場合、その人物の所在や社会保険など
から調べれば、発覚します。そこで、アルバイトなど、社会保険の加入義務がない
人を対象にするケースが多々あります。
本当にその人が働いていたかどうかを確認するには、他の従業員や関係者に聞き
取り調査などをして調査をします。 4.領収証工作する方法
経費水増しで利益を少なく見せる方法です。領収証があれば帳簿上はその金額
を経費にできるため、偽の領収証を使って脱税する手口が非常に多いのです。
<<領収証工作の方法>>
(1)改ざん ・白紙の領収証をもらって好きな金額を書き込む
・領収証の数字を書き換える
現在では白紙領収書をもらえるところはほとんどありません。また、数字を
書き換えることは簡単にはできません。発行元の反面調査により直ぐ分かっ
てしまいます。
(2)偽造 ・市販領収証を使用して、架空の業者などの領収証を作る ・偽の領収証を闇業者から買う
この場合、幽霊会社や倒産した会社名義なので、証拠を固めるのがむずか
しいのですが、税務署は偽領収証を販売している業者の検挙に全力をあげ
ています。その業者が捕まれば、領収証を購入した人にも調査が入ります。
5.所得隠しによる現物の隠し場所
法人税法、所得税法などの違反容疑で告発された場合は、家宅捜査を受ける事
になります。その目的は、現金や債券の現物を見つけることです。
「現物を見つける」ことが、所得隠し、脱税告発の絶対条件であるからです。 査察官は次のような隠し場所に目をつけています。
壁掛けホワイトボードの裏・床の間の下・応接間の床下金庫・プランターの土の
中・敷地内の地中に埋めた瓶・事務所内に作った隠し部屋の中・クローゼット内に
入り口を設けた地下室・取引先名義で借りたセーフテイルーム・従業員名義で借り
たマンションの押入れ内の金庫・知人名義で借りたトランクルーム
所得隠しは結果的に損になる公算大です。合法的な節税に知恵を絞り積極的に対
処し、その上で正当な納税をすることが最終的には資産を増やすことにつながると思
います。
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