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       現物出資による会社借入金の資本金振替の留意点  目次へ
 
   役員が会社に貸し付けている貸付金を現物出資して、資本を増加させることを債
 務の株式化(DES)と言います。会社の借入金(Debt)を資本(Equity)と交換(Swap)する
 ので、それらの頭文字を取ってDESと呼んでいます。
 会社からみれば、借入金という債務が資本に代わったことになります。
 平成18年度の税制改正前は税法上の特別な定めがなかったので会社に赤字がたく
 さんある状態で、借入金を資本に振り替えても単に会社の借入金が資本に入れ替わ
 るだけでしたので、問題ありませんでした。
  しかし、会社法改正に伴う税制改正で、この取扱が変わりました。
 借入金の実際価値を評価して、その評価額で資本金を増額させることになります
 会社に返済能力が全く無い場合、実質的な債務免除として債務免除益に対して課税
 されるリスクもありますのでご留意下さい。

 1.一般的に利用されるケース
   @経営不振企業を再生する際に、銀行が債権を放棄する場合
   A中小企業のオーナー社長が会社に対して貸付金を有している場合
   B親会社が子会社に貸付金を有している場合などに、その貸付金を債務から資
    本へ振り替える場合
 2.手続
   原則として出資する金銭債権の評価に関して「裁判所の選任した検査役」、「弁護
  士・公認会計士・税理士」による調査を受け、その証明書を取得する必要がありま
  す(会社法207条、208条)が、出資する金銭債権(弁済期既到来)の評価額が、帳簿
  価額に記載されている価額を超えない場合は、検査役調査、弁護士等の調査も必
  要ありません(会社法207条9項5号)。
  
  このため実務上、ほとんどのDESが検査役の調査、弁護士等による証明を受
  けずに手続きをいたします


 3.増資登記手続きに必要な書類等
  @登記事項証明書
  A出資者の印鑑
  B現物出資する金銭債権の内容が記載された会計帳簿
   (債務額・債権社名・弁済期がわかる書面)
  
 登録免許税
   増加した資本金の額×1,000分の7
   〜3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円

  
                                                     
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