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セール・アンド・リースとは、資産所有者が所有する資産をリース会社等に売却し、直ちに
資産所有者(賃借人)がその資産をリース会社等(賃貸人)から賃借する取引です。
会社又は個人事業等で資金不足に陥ったときは、手持物件を売却し資金を得て、リー
スに変えれば、一時的に資金調達ができ資金繰りが楽になります。その経済的な実態
は「固定資産を担保とする資金の借入」と考えることが出来ます。
〜リース会社と法人又は個人事業主間でリースバック契約を行い、その取引が当事者の
意図、物件の内容等から見て、実質的に金融取引と認められる取引(中古品の
リースバック等)は、リース会社からの借入があったものとして取り扱います(金融取
引とみなされる) 。 <<取引例>> 借手は自己所有の車両を貸手に売却するとともに、その全部をリースバックした。 (1)対象資産の内容 @取得日 平成19年4月1日 A取得価額
4,000,000円 B自己資産の減価償却方法 耐用年数 5年 定額法 (2)セール・アンド・リースバツク取引の条件 @所有権移転条項 あり A契約日 平成20年4月1日 B売却価額 3,000,000円 C解約不能のリース期間 3年 Dリース料 1,200,000円(1年ごと後払い) Eリースバック時以降の経済的耐用年数 4年 F貸手の計算利子率 年5%
(3)会計処理 @車両の売却とリースによる取得(リースバック) (平成20年4月1日) 減価償却累計額 800,000 / 車両運搬具 4,000,000 現金預金 3,000,000 長期前払費用 200,000
リース資産 3,000,000 / リース 債 務
3,000,000
車両の売却とリース取引を同時に行います。その際、「車両売却損」にあたる部分
が「長期前払費用」になります。この売却損は、減価償却計算に則して経済的耐用
年数である4年間に渡って償却します。
A第1回リース料支払い時の取引 (平成21年3月31日) リース債務
1,050,000 / 現金預金 1,200,000 支払利息
150,000
B決算時減価償却計算 (平成21年3月31日) 減価償却費 750,000 / 減価償却累計額 750,000 ※ 3,000,000*0.25(4年定額償却率) 長期前払費用償却 50,000 / 長期前払費用 50,000 ※ 280,000÷4年
※ 賃借人の会計処理
(1) リースバック取引がファイナンスリースになる場合には、資産の売却差額は、一時の
損益として処理できず、繰り延べることとなります。そして、繰り延べた損益は、
毎期の減価償却費又は支払リース料の割合に応じて損益を計上することになり
ます。
(2) リースバック取引がオペレーティングリースになる場合には、賃貸借取引として処理
し、資産の売却差額は、その期の損益として計上します。
<<オペレーティング・リース特徴>>
不特定多数のユーザ一企業を対象に汎用性の高く、他のューザーへの再リース
が可能な物件及び中古市場の存在する物品(自動車・航空機・船舶・建設機械
など)を対象とします。そのため、リース料をフルぺイアウトの設定をせずに商品の
設計ができ、 リース料を比較的廉価におさえることができ、 またューザー企業は
リース物件を必要とする期間に応じて使用でき、 また、 一定の解約期間を経過
すれば自由に解約できる商品となります。この意味でオペレーティング・リースは、
「物件・サービスの提供」を主眼とした賃貸借取引であると考えらます。
<<ファイナンス・リース特徴>>
リース会社が、 そのリース取引に係る契約により、借手から受け取るリース料の総額
を、リース物件の購入費、維持管理費用(調達金利・固定資産税・損害保険料)及
び貸手の利益の総額の全額回収(フルぺイアウト) を図るように設定しま す。
リース会社の購入する物件はューザー企業専用に使用され、ューザー企業は、原則と
して、 そのリース契約を中途解約することができません。
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