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不動産を親族間で売買する場合、時価に注意しなければなりません。贈与税がか
からない売買価格に設定するためには、実勢価格(時価)を基準にします。不動産価
格には「一物四価」「一物五価」等といわれるように様々な価格が存在するために納
税者の方々は頭を悩やませています。 不動産を親族間で売買する場合の「時価」は以下のようになります。 〜必ずしも不動産鑑定士に時価を算出してもらう必要はありません。 1.建物の価格
賃貸物件の場合には、未償却残高(簿価)を、自宅や納屋等の自用家屋の場合
には固定資産税評価額をもって「時価」として売買すれば、税務上は認められます
賃貸物件の場合の未償却残高は確定申告書の減価償却欄に記載されています。
自用家屋の場合の固定資産税評価額は市役所、町役場等で発行してもらうことが
できます。これにより贈与、譲渡税の対象になりません。 2.土地 (1)
時価算出方法
路線価(相続税評価額)を0.8で割り逆算、固定資産税評価ならそれを0.7で割り
逆算します。
税務の路線価評価額は公示価格(一般の取引指標になる)の8割程度、固定
資産税評価額は公示価格の7割程度とされているからです。 さらに念を入れて以下の確認をすることがよいと思います。
-不動産会社(不動産仲介業者も含む)などから最近の取引事例の売買価格
確認 〜分かればの話です。 -管轄の税務署確認
(2)価格設定テクニック 時価-110万円(贈与税基礎控除)
これにより贈与税は回避できますが、譲渡者ご自身の譲渡税回避可否は土地の
取得価額如何によります。 3.参考 (1)公示価格
国土交通省が、全国約3万地点について不動産鑑定士に評価を依頼し、準
地の毎年1月1日時点の価格を公表する。主に公共用地を収用する場合の適正
な補償金の算定に活用されるか、民間の土地取引に利用される、最も時価に
近い指標とされる。 (2)基準地価
都道府県知事が不動産鑑定士に評価を依頼し、7月1日時点の価格を公表す
る公示価格が、都市計画区域内を対象とするのに対し、基準地価は区域外の
林地も対象としている。地価公示価格とともに土地取引の目安とされる。 (3)相続税評価額
国税庁が、毎年1月1日時点の路線価、倍率を公表している。相続税、贈与税
を計算する場合に使用する指標となる。路線価は、公示価格の80%を目安に設
定されている。 (4)固定資産税評価額
市町村長が、1月1日現在の土地、建物所有者に対し、固定資産税を賦課す
るための価格で、公示価格の70%を目安に設定されている。この評価額は、3年
ごとに見直されており、次回は平成21年となる。 (5)鑑定評価額 不動産鑑定士による個々の土地の評価額。
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