年金型の生命保険について、相続税の課税対象部分は所得税の課税対象(二重
課税)とならないとする最高裁判所の判決が2010年(平成22年)にでました。この結
果、納め過ぎとなっている所得税が還付となります
1.年金型生命保険の二重課税により還付対象となる保険契約・対象者
「相続や贈与」などで取得した生命保険や損害保険を年金で受け取っている以下
の人が対象になります。
(1)死亡保険金を年金で受給
(2)学資保険の契約者の死亡により養育年金を受給
(3)個人年金保険契約(保険会社で加入する年金)よる年金を受給
2.生命保険の二重課税に関する還付の手続き
平成23年現在で対象となるのは平成18年分から平成22年分についてそれぞれ
の年で所得税が納め過ぎている人です。さらに平成23年6月税制改正により平成
12年分から平成16年分についても還付請求できることとなりました。
(1)確定申告をしている年
更正の請求
(2)確定申告をしていない年
確定申告(還付申告)
また所得税の還付対象とならなくても、住民税や国民健康保険税が減額となり
市区町村で手続きが必要なケースもあります。
3.還付を受ける際の期限
更正の請求によって減額修正する場合、原則は申告書の提出日から5年間です。
また確定申告(還付申告)は、申告する年分の翌年1月1日から5年を経過する日まで
です。
※更正の請求の基本
更正の請求とは、確定申告の際に納税額を過大に申告してしまった時に、納税
額を減らするために行う税務処理の手続きのことです。更正の請求の手続きは、
確定申告後から1年以内であれば行うことができます。サラリーマンに代表され
る給与所得者で、年末調整で税額を確定している方は、5年間までさかのぼって
「更正の請求」をすることが可能です。
平成18年分に該当する場合、原則は平成23年12月末日となります。期限は対象
となる年ごとに判断します。
4.迷ったら税務署確認
二重課税に関わる還付の問題については、処理や手続きについて検討している部
分もあるようです。期限が切れていると思ってもあきらめず一応問い合わせを行う
ことが大切です。
※二重課税の根拠
1.相続発生時
年金受給権に対して相続税課税
例
夫が支払ってきた保険料で、これから将来受取れる年金総額は相続人である
妻が受取る場合は相続財産として課税
2.年金受給時
相続人が受給する年金に対して所得税課税
これから将来分割して毎月受取る年金という所得に対して所得税が課税
相続発生時と年金受給時に2回課税
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