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親の土地の上に家を建てる場合の地代の取扱と課税 |
目次へ |
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内容 |
現金支 出有無 |
税金減少の型 |
節 税 |
課税繰延 |
貯蓄的 節 税 |
資産購入 |
有 |
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経費支出 |
有 |
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親族所得移転 |
有 |
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書面・帳簿処理 |
無 |
○ |
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親の土地に子供が二世代住宅等を建てて同居する場合、地代授受有無によって
予期せぬ課税をされることがありますので、しっかり税務対策を検討する必要があ
ります。
1.親子間の土地「使用貸借」で課税なし
子供が親の土地を使用貸借で借りて家を建てた場合、借地権の贈与の問 題は起こりません。 〜子供が親に固定資産税相当額の地代を支払う場合が多い
通常、他人の土地に建物を建てると、その土地を使用する権利は建物の 所有者にほとんど移ってしまいます。 土地の所有者は土地の上の建物が建った時点で、土地の使用権のほとんど を建物の所有者にあげたこととなります。 このタダでもらった土地を使用する権利のことを通常「借地権」といいます。 都内ですと土地の時価の60%〜90%の金額が借地権の評価額とされます。 この借地権も贈与税の対象となるのです。
※土地の使用貸借
民法上の賃貸借に対比されるもので、土地をタダで使わせる代わりに将来 返してもらうことを約束する契約のことを言います。
普通は、親子で地代のやり取りなどしないわけですから、この使用貸借契
約で土地を子供がただで使っていることになるのです。
2.世間一般の相場で地代を支払う(賃貸借)と贈与税課税
世間一般の地代の相場はかなり低い場合が多いです。 世間一般の地代相場がかなり安いのは、借地をした時に通常は多額の一時
金(権利金)を支払うからです。 一方子供は親に多額の一時金を支払わずに世間一般の相場地代のみを支
払っている場合には、親から子に借地権が贈与されたとみなされ、贈与税が 課税されます。
理由はこの一時金(権利金)なしに安い地代を親に支払ったのでは課税の公
平を欠くことになるので、一時金は親から子に贈与されたものとされます。 一時金は借地の権利金のことで、借地権の対価を意味します。
3.高額な地代を支払った場合 土地の時価の6%相当額の地代を年間で支払うと親から子への借地権の
贈与の問題はなくなります。 時価5千万円の土地の地代ですと年額3百万円になります。
このくらいの地代を親に払えば借地権の贈与の問題はなくなりますが、あまり 現実的な方法ではありません。
やはり、地代を払わないか、払っても固定資産税相当額以下の地代として使 用貸借とするのが現実的な方法です。
4.使用貸借と賃貸借の違い
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項目 |
使用貸借 |
賃貸借 |
家賃授受 |
なし |
あり |
借地借家法適用 |
適用なし |
適用あり |
権利金授受 |
なし |
あり |
借地権発生
権利金授受有りの場合
権利金授受無しの場合
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−
− |
発生しない
発生する
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取引関係 |
親子、夫婦など親族間 |
赤の他人 |
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なお、使用貸借でも土地の固定資産税の金額以下の授受があっても使用貸借の
範囲として認められます。
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