1.所得税
住宅税制、金融証券税制、 事業所得等関係、譲渡所得関係、源泉所得税関係
等の改正行われています。このうち幾つかの項目をピックアップしてみました。
〜各々の詳細は国税庁ホームページご参照下さい。
(1)住宅減税
住宅ローン減税を4年間延長。減税額を40万円に倍増。
消費税率を8%に引き上げる際所得税や住民税の納税額が少ない中低所得者
は住宅ローン減税の控除額を使い切れないため、平成26年4 月から平成27年
末までに入居する中低所得者に対しては現金給付を行う予定。
所得税において控除しきれなかった金額がある場合は、翌年度の個人住民税
から住宅ローン控除を適用できます。
一般住宅の住宅ローン減税
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居住年 |
年末ローン残高の限度額 |
控除率 |
1年間の
控除限度額 |
10年間累計の
最大限度額 |
平成25年〜
平成26年3月末 |
2000万円 |
1% |
20万円 |
200万円 |
平成26年〜
平成29年末 |
4000万円 |
1% |
40万円 |
400万円 |
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認定長期優良住宅・認定低炭素住宅(省エネ住宅)の住宅ローン減税
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居住年 |
年末ローン残高の限度額 |
控除率 |
1年間の
控除限度額 |
10年間累計の
最大限度額 |
平成25年〜
平成26年3月末 |
3000万円 |
1% |
30万円 |
300万円 |
平成26月〜
平成29年末 |
5000万円 |
1% |
50万円 |
500万円 |
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住民税からの住宅ローン控除額
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居住年 |
控除限度額 |
平成26年1月〜3月 |
所得税の課税総所得金額等×5%(最高9.75万円) |
平成26年4月〜
平成29年12月 |
所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65万円) |
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住宅取得者への現金給付措置(予定)
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年収(見込額) |
給付額 |
消費税率
8%時
(平成26年4月時) |
425万円以下 |
30万円 |
425万円超475万円以下 |
20万円 |
475万円超510万円以下 |
10万円 |
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年収(見込額) |
給付額 |
消費税率
10%時
(平成27年10月時)
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450万円以下 |
50万円 |
450万円超525万円以下 |
40万円 |
525万円超600万円以下 |
30万円 |
600万円超675万円以下 |
20万円 |
675万円超775万円以下 |
10万円 |
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(2)最高税率引上
課税所得4000万円超の税率が45%に引き上げられます。
〜平成27年1月以降
(3)少額投資非課税制度
少額投資非課税制度は、株式や投資信託の投資に対して、税制上20%かか
る売却益と配当への課税を、年間100万円を上限に非課税とされます。
金融機関において、非課税口座を、通常の取り引き口座とは別に開設する必
要があります。
〜平成26年1月以降
(4)上場株式等の譲渡益・配当金への源泉徴収税率引上
上場株式等の譲渡益および配当金にかかる源泉徴収税率は、平成25年まで
は特例として10%の税率となっていましたが、平成26年1月以降は本則である20
%の税率に戻ります。
なお、平成25年以降25年間は、上記税率に復興特別所得税が加算(※)され
るため、本年と来年以降の税率は以下のようになります。
※通常税率の2.1%加算
平成25年 :10.147%(所得税・復興特別所得税7.147%+住民税3%)
平成26年以降:20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)
〜平成26年1月以降
2.相続税
(1)最高税率を55%に引上、基礎控除が4割引下げられます。
@基礎控除額
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改正前 |
5000万円+1000万円×法定相続人の数
|
|
↓ |
改正後 |
3000万円+600万円×法定相続人の数 |
A相続税の税率引上
2億円超部分が45%に、6億円超部分が55%になります。遺産額がかなり大き
い人への影響が大きくなります。
B適用時期
平成27年1月1日以後の相続から適用
(2)小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
特定居住用宅地等の限度面積が次のように拡大されます。
@現行240uの特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を330uまで
拡大。(80%の評価減)
A特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用等宅地等及び特定居
住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積まで適用可能となりま
す。 (730u)
なお、貸付事業用宅地等を選択する場合における適用対象面積の計算に
ついては、現行どおり、調整(※)を行うことになります。
※減額面積調整計算例
自宅敷地231uと貸駐車場150uの場合の貸駐車場減額が受けられ
る面積
231u/330u=0.7(適用を受けた部分)
200u×(1−07)=60u(減額が受けられる面積)
〜@及びAは平成27年1月1日以後の相続から適用
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小規模宅地の区分 |
減額
割合 |
限度面積 |
備考 |
現行 |
改正 |
特定事業用宅地等
特定同族会社事業用宅地等 |
80% |
400u |
現行通り |
最大730u |
特定居住用宅地等 |
80% |
240u |
330u |
貸付事業用宅地等 |
50% |
200u |
現行通り |
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B一棟の二世帯住宅で構造上区分のあるものについて、被相続人及びその親
族が各独立部分に居住していた場合には、その親族が相続又は遺贈によ
り取得したその敷地の用に供されていた宅地等のうち、被相続人及びその
親族が居住していた部分に対応する部分を特例の対象となります。
C 老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家
屋の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件が満たされる場合に限り
相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとして
特例を適用することとされます。
-被相続人に介護が必要なため入所したものであること。
- 当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと。
〜B及びCは平成26年1月1日以後の相続から適用
3.贈与税
祖父母が子や孫に渡す教育資金の贈与税は1500万円まで非課税祖父母から孫
親から子といった直系の家族に教育資金を贈る場合、受け取る側1人につき最大
1500万円が非課税になります。
〜適用時期:平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間の金銭の拠出
4.法人税
減価償却、税額の計算等の改正行われています。
※1減価償却に関する改正
@.国内の設備投資額が増加した場合の機械等の特別償却制度の創設
A特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却制度の創設
B特定信頼性向上設備の特別償却制度の創設
Cその他
※2税額の計算に関する改正
@国内の設備投資額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の創設
A特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の法人税額の特別控除
制度の創設
B雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の創設
Cその他
※3その他改正
交際費等の損金不算入制度に関する改正
このうち幾つかの項目をピックアップしてみました。
(1)雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の創設
@内容
会社が従業員に支給する給与を一定以上増加させると、増加させた金額の
10%相当額を法人税額から控除することができます。ただし、法人税額から
控除できるのは法人税額の10%(中小企業者等については20%)を限度としま
す。
A対象法人等と要件
-青色申告書を提出している法人
-従業員(※1)に支給する給与が基準年度(※2)と比較して5%以上増加して
いること
-給与の支給額が前年度を下回らないこと
-平均給与支給額(※3)が前年度のそれを下回らないこと
B適用年度
平成25年4月1日〜平成28年3月31日までの間に開始する事業年度
(※1)役員とその親族等への給与は対象になりません
(※2)平成25年4月1日以後最初に開始する事業年度の直前の事業年度
(※3)給与支給額÷各月の雇用者数合計
(2) 交際費等の損金不算入制度に関する改正>>
@)中小法人(※)について、定額控除限度額が年800 万円に拡大されるとともに、
定額控除限度額に達するまでの金額の損金不算入額が0とされました。
※中小法人
事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法
人をいい、普通法人のうち事業年度終了の日における資本金の額又は出資
金の額が5億円以上の法人などの一定の法人による完全支配関係がある子
法人等を除きます。
A適用時期
平成25 年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用され、
同日前に開始した事業年度分の法人税については、従来どおり適用されま
す。
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